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HFコラム
2017/07/12

やっかいな雑草、ありがたい薬草

身近な雑草で、一番やっかいなのは「どくだみ」ではないでしょうか。その花は清楚で美しいのですが、この草に触れるとなかなかその悪臭が取れないので、嫌われ者です。
「どくだみ」に限らず、雑草取りはやっかいな作業ですが、すっかり取り除いた後の爽快感は格別です。マインドフルネス瞑想を終えた後の、“雑念”が取り除かれた爽快感と相通ずるものがあります。
そんな身近な雑草として、蓬(よもぎ)、車前草(おおばこ)、蒲公英(たんぽぽ)、野薊(のあざみ)、玄草(げんのしょうこ)、も良く知られていますが、これら全ての雑草はありがたい薬草でもあるのです。
「どくだみ」は「十薬」とも書かれ、立派な薬草です。貝原益軒の「大和本草」に、“馬に用いて十種の薬能ありとて十薬と号す”とあります。悪臭の成分は数種のアルデヒド類で、何れも抗菌性を示します。その他に色々な薬効成分が含まれていて、江戸時代から、馬だけでなく人にも、解毒剤、解熱剤、利尿剤、等々として重宝されてきたのです(詳しくは、「薬草歳時記」をご参照ください)。
 ところで、植物が作る化学成分は、人類が誕生した時から薬として使われてきましたし、私たちが現在も使っている多くの薬も植物成分がもとになっています。しかし、なぜ植物がこのように私たちにとって有益な物質を作るのか、どのようにして作るのかが解明されてきたのは、比較的最近のことなのです。
植物における薬効成分生産と、それを摂取する動物が相互に協力してきた興味深い例が示されています。
唐辛子にはカプサイシンという辛味成分が含まれています。人間は香辛料として重宝していますが、一般に哺乳動物はこの辛さに敏感で、これを忌避します。ところが、鳥はカプサイシンを含む果実をよく食べます。それは、鳥にはカプサイシンを感じる受容体がないためと考えられています。鳥に食べられた果実には種子が含まれますが、その種子はほとんど消化されずに糞便からだされます。
唐辛子のカプサイシンには、哺乳動物などの捕食者には食べられないように身を守りながら、鳥にだけは果実を食べてもらい、なおかつ種子散布してもらうという、二つの優れた役割があるとの事です。
更に、「植物はなぜ薬を作るのか」の著者はエピローグで以下のように述べています。
“薬となる植物成分に限らず、光合成に依拠した植物の自立的な生産性は、食料、燃料、工業原料を作りだし、さらに二酸化炭素の循環の鍵として宇宙船地球号に同乗している、私たち人類の生存を支えています。私たち人類は、私たちの命の源であるこの植物のことをもっと良く理解し、上手に利用しながら、人類と植物の関係も新しい段階に進まなければならない時代に来ています。”
地球温暖化対策で各国の足並みが揃わない昨今だけに、とても重要な見解と思われます。
 
引用文献
・ 鈴木 昶 「薬草歳時記」(青蛙房 1995年)
・ 斉藤 和希「植物はなぜ薬を作るのか」(文春新書 文芸春秋 2017年)
 
カウンセラー 岡本 彰夫


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