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HFコラム
2018/10/18

ブロンテ三姉妹、三様

昨春、恩師が地方での学長職を任期全うし、帰京されました。ご好意により読書会を再開してくださることになり仲間と共にご新居に伺いました。数年ぶりの再会に会話は弾み、時間はあっと言う間に過ぎました。作品は途中まで読み進んでいたエミリー・ブロンテの『嵐が丘』から、姉シャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』に決まりホッとしました。『ジェーン・エア』も『嵐が丘』も不朽の名作です。二人にはもう一人の妹、『アグネス・グレイ』を書いたアン・ブロンテがいます。三作品とも1847年に出版されるとベストセラーになりました。女性作家といえば上流階級出身という時代に、中流階級女性のベストセラー作家誕生は、当時タブーとされていた人間模様を暴露した内容と相まって一大センセーションとなりました。今でも英文学史上、ブロンテ三姉妹として有名です。故郷ハワースの美しい自然と、幼い頃に父親が息子に与えた木製兵隊人形を使い、兄弟四人で物語を作って人形劇で遊んでいたことにより想像力と創作力が培われたと言われています。
今回の読書会再開にあたり、邦訳で三作品を読んでみました。
l 『ジェーン・エア』 ジェーンは孤児となり預けられた伯母と従兄弟から虐待され、寄宿学校に入れられます。寄宿学校でも虐待を受けますが、自分の意志で厳しい環境の中で勉学に励みます。やがて家庭教師となった家の主人と、紆余曲折を経て結婚し幸せになります。
l 『嵐が丘』 捨て子のヒースクリフは拾われた家の息子に虐待され、娘に恋焦がれて成人します。やがて息子には男児が生まれ、娘は別の男性と結婚し、女児を出産して死にます。ヒースクリフはそれぞれの家庭と子供達にも恨みから復讐し、やがて自分も亡霊に取りつかれて死にます。その感情の激しさと復讐には狂気が漂います。翻弄された子供達二人はやがて愛し合い、新しい人生を歩み始めようとする姿を描き物語は終わります。
l 『アグネス・グレイ』 末娘のアグネスは父親の借金から家族の反対を押しのけて家庭教師になります。二つの家庭でわがままな子供達を教え、父の死後は、明るく優しい生活力のある母親と学校を経営します。その後、恋心を秘めていた牧師と再会し、結婚して幸せになります。
姉妹は互いの作品について話し合いながら執筆し、作品にはそれぞれの性格や人生が反映されていると言われています。今回、私が一番感じたことは、同じ環境に生きながらも三姉妹が三様、それぞれの作風を紡ぎ出していることです。十人十色と言われますが、同じ環境、同じ出来事であっても、反応や受け止め方は様々です。どう受け止め、その後どう行動するかは各人の自由です。そこに個性や価値観が生まれて、それぞれの人生を生きていきます。逆境に遭ってヒースクリフは恨み、復讐しても決して心は満たされません。一方、ジェーン・エアは逆境において、自分を律し勉学に励み人生を切り拓いていく意志と行動により幸せをつかみます。アグネスには母親の愛情を知り静かに現実を受け入れる力強さがあります。今回、三作品を通して、自分を苦しめる敵と自分を苦しみから解放する答えも自分の中にあるのかと改めて感じる、そのような不思議な余韻が残っています。
 
             2018.10.   カウンセラー 佐藤


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